アストンマーティン・バンテージAMR

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「日本という国を学びたい」オマーン初のドライバー、本業は“ボート旅”【WEC富士の注目株(3)アハマド・アル・ハーティ】

 WEC富士6時間レースを前に、シリーズに参戦している気になるドライバーをご紹介するこのコーナー。ふたりの女性ドライバーを取り上げた後、第3回としてご紹介するのは、LMGTEアマクラスに参戦しているジェントルマンドライバーのアハマド・アル・ハーティ。ORT・バイ・TFの25号車アストンマーティン・バンテージAMRをドライブしている。 このアル・ハーティ、まずは何と言ってもその出身国が話題のドライバーだ。「僕はオマーンで最初のレーシングドライバーなんだ。だから、ライセンスNo.1を持っているんだよ(笑)。チーム国籍も初のオマーン。ORTはオマーン・レーシング・チームという意味なんだ」■オマーンにもカートコースはある 読者の皆さんは、オマーンがどこにあるか分かるだろうか? 筆者も名前だけ知っている中東の国だが、地図を確認するとアラビア半島の東側の先端、アラブ首長国連邦の隣に位置している。...
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トヨタの“幅寄せ”で2戦連続の全損。Dステーション藤井誠暢が提言する『WECの走行マナー向上策』

 7月9日に行われたWEC世界耐久選手権第5戦『モンツァ6時間レース』。日本チームとしてLMGTEアマクラスに参戦するDステーション・レーシングの777号車アストンマーティン・バンテージAMRは、序盤にハイパーカークラスの車両に接触されバリアへとクラッシュ、早々にレースを終えた。 現場はアスカリシケインへの進入手前というハイスピードの直線区間。777号車をコース左側からパスしたトヨタGAZOO Racing8号車GR010ハイブリッドのセバスチャン・ブエミが、まだオーバーテイクが完了していないにも関わらず右側へとマシンを寄せて接触したことで、緑のアストンマーティンはなすすべもなく右側のバリアへとクラッシュ、スピン状態でシケイン奥のサンドトラップ上に停止した。  ステアリングを握っていた星野敏に怪我がなかったことは幸いだったが、Dステーション・レーシングとしては前戦ル・マン24時間レー...
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BoPに納得できないTFスポーツ、WECに対応を要求「今年アストンマーティンが速かった指標はない」

 WEC世界耐久選手権のLMGTEアマカテゴリーに参戦しているTFスポーツは、アストンマーティン・バンテージAMRに設定されたBoP(バランス・オブ・パフォーマンス=性能調整)への不満を表明し、シリーズに対して次戦の第6戦富士までに行動を移すように訴えかけた。 チーム代表のトム・フェリエはSportscar365の取材に対し、今シーズンのアストンマーティンは他のGTEアマメーカーのクルマと比べ、つねにペースで劣っていると感じていると語った。 昨年、同クラスのシリーズチャンピオンを獲得したTFスポーツが運営するオマーン・レーシングチームの25号車アストンマーティンは、先週末のモンツァ6時間レースで7位に終わった。その一方、開幕2連勝したうえにル・マンでもクラス優勝を飾ったコルベット・レーシングは、シーズン終盤の2戦を残して早々とタイトルを獲得している。「我々は(開幕戦)セブリングで1....
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「2024年もWECに出たい」アストンマーティンのLMGT3参戦権決定を待つハート・オブ・レーシング

 ザ・ハート・オブ・レーシングのチーム代表を務めるイアン・ジェームスは、FIA国際自動車連盟とACOフランス西部自動車クラブがLMGT3クラスにどのメーカーを参加させるか決定するのを待っていると語った。 今年初めにノースウエストAMRのLMGTEアマエントリーを引き継いだアメリカン・チームは、日本籍のDステーション・レーシングと同様に、WECのGTEカテゴリーがGT3ベースの新クラスに移行する2024年シーズンもアストンマーティン・チームとして世界選手権に残る意欲を示している。 Sportscar365の取材に応じたジェームスは、アストンマーティンのユーザーだったTFスポーツがシボレー・コルベットZ06 GT3.Rに乗り換えることを発表したからといって、その見通しが変わるとは限らないと述べた。「来年、メーカーと一緒に何ができるかという点では、TFスポーツの状況が我々に影響を与えるとは...
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アストンマーティン陣営のTFスポーツが一転、2024年WECはシボレー・コルベットにスイッチへ

 6月28日、TFスポーツは2024年のWEC世界耐久選手権に新設されるLMGT3クラスにおいて、2台のシボレー・コルベットZ06 GT3.Rを走らせると発表した。 イギリス籍のTFスポーツはこれまで、LMGTEアマクラスで6シーズンにわたってアストンマーティン・バンテージAMRを走らせてきた。2021年シーズンからは、同車両でエントリーするDステーション・レーシングのオペレーションも担っている。 2024年、WECのGTカテゴリーはLMGTE規定から、GT3規定へと移行する。また、シボレーも現在のワークス体制から、カスタマーに特化した参戦体制となるが、TFスポーツはこのカスタマー車両を活用することになる。 2016年にWECに参戦を開始したTFスポーツは、2020年と2022年のル・マン24時間レースでGTEアマクラスを制した。また、2022年にはベン・キーティングとマルコ・ソーレ...
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初日“全損”のDステーションに悲壮感なし「中途半端に壊れるなら新品の方がいい」/ル・マン24時間

 6月7日に行われたル・マン24時間レースのフリープラクティス1でクラッシュし、シャシーに大きなダメージを受けてしまったDステーション・レーシングの777号車アストンマーティン・バンテージAMR。一夜明けた8日朝、ドライバーとチームのマネージングディレクターを兼任する藤井誠暢に、マシン修復に向けた現状などを聞いた。 Dステーションの777号車は水曜のFP1のセッション中盤、キャスパー・スティーブンソンが森のエス出口のガードレールにクラッシュ。コース上に跳ね返って停止していたところに、後続のタワー・モータースポーツ13号車オレカ07・ギブソンが衝突し、777号車はフロント左サイドを中心に大きなダメージを負っていた。 スティーブンソンはその後マシンを降りて自力で歩行していたとおり、身体にはまったく問題がないという。  問題は、「フレームのサイドが完全に曲がってしまった」(藤井)クルマの方...
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ル・マン24時間FP1で大クラッシュ。Dステーションとタワー・モータースポーツ、ともにシャシー交換へ

 星野敏、藤井誠暢、キャスパー・スティブンソンのトリオでLMGTEアマクラスにエントリーしているDステーション・レーシングと、LMP2クラスを戦うタワー・モータースポーツの2チームは、ル・マン24時間レースのオープニングセッションで大きなダメージを負ったアクシデントの後、ともに交換用のシャシーを調達している。 両チームのマシンが大きな損傷を受けた事故は6月7日(水)に行われたWEC世界耐久選手権第4戦『ル・マン24時間レース』のフリープラクティス1回目で発生。発端となったのはスティブンソン駆る777号車アストンマーティン・バンテージAMRが、フォレのS字からテルトル・ルージュに向かう区間で姿勢を乱しハーフスピン状態でガードレールに接触したアクシデントだった。 ガードレールに跳ね返された777号車はコース上でストップ。複数の後続車がこれを避けていくなか、スティーブン・トーマスがステアリ...
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“プロ・ブロンズ”増加と“イス取りゲーム”の副作用も。3年目迎えたDステーション藤井が語る『WEC裏事情』

 2021年よりWEC世界耐久選手権のLMGTEアマクラスにフル参戦しているDステーション・レーシングは、トヨタGAZOO Racingというマニュファクチャラーのワークスチームを除けば、現在WEC唯一の日本籍チームだ。アストンマーティン・バンテージAMRを駆る星野敏と藤井誠暢は、ここまで度々、光る走りと成績を残してきた。 フル参戦3年目を迎えた2023年シーズン、彼らは序盤3戦をどう戦い、来るシーズン最大のイベント、ル・マン24時間レースに向けてどのような状態で臨むのか。タイヤウォーマー禁止規則や来季以降の展開などと合わせ、ステアリングを握りながらチームのマネージングディレクターも兼務する藤井に話を聞いた。■飛躍的に上がったWECの“レベル” 参戦初年度はモンツァ、2年目の2022年は地元・富士のレースで表彰台に登る活躍を見せたDステーション・レーシングの777号車。3年目の今季は...
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D’station Racing 2023 WEC世界耐久選手権第3戦スパ・フランコルシャン レースレポート

D’station RacingRace Report – 2023.5.3dstation-racing.jpInstagram : @dstation_racingTwitter : @dstation_racingFacebook : @DstationRacing2023 FIA World Endurance ChampionshipRound 3 6 Hours of Spa-Francorchamps (BEL)APR. 27 – 28 Qualify :8th / Race:10th序盤大きなリードを築くも、荒れたレース展開に翻弄される 2023年のFIA WEC世界耐久選手権は、4月14日(金)〜16日(日)にポルトガルで行われた第2戦から、約1週間半ほどのインターバルで第3戦を迎えた。舞台はベルギーのスパ・フランコルシャン...
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WECで活躍してきた“トップアマ”、ポール・ダラ・ラナが即時引退を表明。エントリーは他チームが引き継ぐ

 これまで長期にわたりWEC世界耐久選手権に参戦してきたLMGTEアマクラスのジェントルマンドライバー、ポール・ダラ・ラナが、レースキャリアにピリオドを打つことを明らかにした。 57歳、カナダ籍のダラ・ラナは、WECで17回ものクラス優勝を果たすなど、もっとも成功したブロンズ・ドライバーのひとりに数えられる。4月24日にリリースされたアストンマーティン・レーシングの声明によれば、彼は「複数のビジネス上の関心にフル・フォーカスする」ために、ドライバーから即時引退するという。 2023シーズンも『ノースウエストAMR』として98号車アストンマーティン・バンテージAMRでエントリーしているダラ・ラナだが、今週末の4月27〜29日にベルギーで行われるスパ・フランコルシャン6時間レースからは、98号車のエントリー枠がハート・オブ・レーシングチームへと引き継がれる予定だ。 ダラ・ラナはアクシル・...
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WECレギュラーシート最後の枠が埋まる。ダラ・ラナ&ティーム組にジェフェリーズが合流

 3月11日から12日にかけて、アメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われたWEC世界耐久選手権公式テスト“プロローグ”に参加したアクシル・ジェフェリーズが、未確定だったノースウエストAMRの最後のドライバーに決定した。 これにより今週15日(水)から17日(金)に行われるWEC開幕戦『セブリング1000マイル』のエントリーリストで唯一“TBA”となっていた枠が埋まり、全37チームのドライバーラインアップが確定している。 開幕戦に先立つかたちで先週末に行われたプロローグにおいて、トーマス・メリルとともにノースウエストAMRの98号車アストンマーティン・バンテージAMRをテストした28歳のジンバブエ人は、すでにシートが決まっていたポール・ダラ・ラナ、ニッキー・ティームのチームに合流し、GTEアマチームでWECにフル参戦することになった。 ジェフェリーズとメリル...
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英米独車メーカーの4モデルが激突するGTEアマ。WEC開幕戦ではアストンマーティンが最軽量

 アメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウウェイで行われる、3月11~12日のシリーズ公式テスト“プロローグ”、翌週15~17日に開催される2023年シーズン開幕戦セブリング1000マイルに先駆け、WEC世界耐久選手権・LMGTEアマクラスのBoP(バランス・オブ・パフォーマンス=性能調整)が発表されている。 2022年限りで、自動車メーカーのワークスチームが覇を競い合っていたLMGTEプロクラスが消滅したため、今季のWECはプロ・アマカテゴリーであるLMGTEアマクラスが唯一のGTカテゴリーとなる。同クラスでは昨年に引き続きBoPとサクセスバラスト・システムによって混戦が演出されることになる。 今季2023年のGTEアマククラスには、フェラーリ488 GTEエボ、ポルシェ911 RSR-19、アストンマーティン・バンテージAMR、シボレー・コルベットC8.Rの...